こんばんは。
今回はちょっと面白い話を紹介したいと思います。
テーマは「腸内細菌と免疫の関係」、そして「がん治療にも関係あるかも⁉な最新の話題」です。
腸内には100兆個の細菌がいる!?
人間の腸の中には、実に100兆個以上の腸内細菌が住んでいます。
重さにするとなんと1〜2kg。細菌たちの集まりは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれ、最近では「腸内フローラ」とも表現されます。
この腸内細菌たち、実はただの消化の手助けをするだけじゃないんです。
近年の研究で、免疫システムとの深〜い関わりがあることがわかってきました。
腸と免疫って関係あるの?
あります、めちゃくちゃあります。
実は、人間の免疫細胞の6〜7割は腸に集まってるとも言われています。
腸って、外界から食べ物が入ってくる場所。つまり「外敵」が入りやすい場所でもあるんですね。だからこそ、腸には強力な免疫ネットワークが張り巡らされていて、腸内細菌もそれを調整している重要なプレイヤーなのです。
がん治療にも!?腸内細菌と薬の効き目の関係
ここからが最近アツい話題。
「免疫チェックポイント阻害薬」というがんの治療薬、聞いたことある人もいるかもしれません。
ただこの薬、効く人と効かない人がいるという課題があります。
でも最近、「効くかどうかに腸内細菌が関係してるかも!」という研究が注目されてます。
ある研究では、免疫チェックポイント阻害薬が効いた人の腸内細菌を培養して、効かなかった人に「便微生物移植(FMT)」という方法で移したところ、3割の人が薬に反応するようになったという報告がありました。
……腸内細菌、やばくないですか?
薬の効き方を変える!?未来の医療と腸内環境
こうした話から、今では「腸内細菌を整えること」が治療戦略の一部になるかもしれないと言われています。
たとえば将来的には、
- がん治療前に腸内細菌のチェックをする
- 必要があればFMTやプロバイオティクスで調整する
そんな未来がくるかもしれません。
最後に:普段の生活でも腸は大切にしよう
ここまで読んで「腸内細菌って大事なんだな〜」と思ってもらえたら嬉しいです。
薬の効き目にも関係するくらいなので、腸の健康は全身の健康にもつながっています。
ヨーグルトや発酵食品、バランスの良い食事、そしてストレスを溜めない生活。
シンプルですが、腸内環境を整える一番の方法かもしれません。
参考にしたお話
実はこの内容、この前学会に参加し、ある講演を聴講したことをきっかけにまとめました。
病院薬剤師として日々患者さんと関わる中で、こうした知識がもっと一般の人にも伝わればいいなと思って書いています。
医療や薬のことでまとめたことを
発信していきます!