焼肉を食べすぎたあと、なんだか胃が重い…
そんなときに頼りたくなるのが「制酸剤」や「胃薬」ですよね。
でもそもそも、胃液(胃酸)ってなんであんなに酸っぱいの?胃酸は消化はどうして自分で出した胃酸で溶けないの?
そして、胃もたれっていったいなにが起きてるの?
今日はそんな「胃酸」にまつわる素朴な疑問を、わかりやすくまとめてみます!
胃酸ってなに?なんで必要なの?
胃酸とは、その名の通り胃の中にある酸のこと。主成分は「塩酸(HCl)」で、pH1〜2というかなり強い酸でできてます。
でもこんな強い酸がなぜ体の中にあるのかというと、ちゃんと理由があります!
胃酸の役割
- 食べ物を殺菌する
口から入った食べ物には、どうしても細菌やウイルスがついてることがあり、胃酸はそれらをやっつけることで体を守ってくれています。 - タンパク質を分解しやすくする
食べ物に含まれるタンパク質を、体が吸収しやすい形に分解する手助けをしています。 - 消化酵素「ペプシン」の活性化
ペプシンはタンパク質を分解する酵素だけど、強い酸がないと働けない。胃酸があることでペプシンがパワーを発揮できる。
でもなんで胃は自分で出した胃酸で溶けないの?
実は、胃は常に「自己防衛」してるから大丈夫なんだよ。
胃の防御システム
- 粘液(ムチン)のバリア
胃の内側は「粘液」というぬるぬるの物質で覆われてる。この粘液が胃酸から胃壁を守ってくれてるいるんです。 - 重炭酸イオンの中和作用
粘液の中には「重炭酸イオン(HCO₃⁻)」が含まれてて、これが酸を中和してくれる。いわば胃酸を無力化するバリアの中に胃が隠れてる感じ。 - 細胞の再生が早い
万が一傷ついても、胃の細胞はすぐに修復されるようになってる。
つまり、胃は「強力な酸を出す攻撃部隊」でもあり、「バリアや修復で守る防御システム」も持ち合わせてる、バランスがとれた臓器です。
胃もたれってなにが起きてるの?
「なんか胃が重い」「いつまでも食べ物が残ってる感じ」
これが胃もたれ。主に、胃の動きが弱まって消化が進んでない状態のことを指すよ。
原因として多いのは?
- 食べすぎ、脂っこいもの、早食い
- ストレス
- 加齢や疲れによる消化力の低下
- 一部の薬(痛み止めなど)
胃もたれ=胃酸が出すぎてる!って思われがちだけど、実は”「出すぎ」よりも「うまく働いてない」ことの方が多い”。
制酸剤ってどんな薬?
コンビニでも買える「胃薬」の中には、「制酸剤」と呼ばれるタイプがあるよ。
制酸剤の種類としくみ
- 中和タイプ(胃酸を直接中和)
・代表例:炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム
→ 胃酸と反応して酸を弱める。効き目は早いけど、持続時間は短め。 - 分泌抑制タイプ(胃酸を作るのを抑える)
・H2ブロッカー(ファモチジンなど)
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)
→ 胃酸を出す細胞に直接作用して、分泌そのものを抑える。じっくり効くイメージ。
どれを使う?
- 一時的な胃もたれや胸やけ → 中和タイプの制酸剤
- くり返す胃痛や胃炎、逆流性食道炎 → 医師の処方でH2ブロッカーやPPI
市販薬で楽になることもあるから試しに使用してみてもいいけど、長引く症状は自己判断せずに、ちゃんと医療機関で相談するのが大事!
場合によってはあとで検査したら実は胃がんだったなんてことも…
まとめ
- 胃酸は、殺菌や消化にとって大切
- 胃は粘液や中和作用で自分自身を守ってる
- 胃もたれは、胃の働きが弱ってるサインかも?
- 制酸剤は胃酸を中和したり、分泌を抑えたりしてくれるけど、使い方には注意!長引くようなら医療機関を受診!
胃ってふだんあまり意識しないけど、すごく精密にコントロールされてる臓器。
食べすぎた時だけじゃなくて、ストレスや生活習慣も胃にとっては大敵。いたわってあげましょう!
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