日記

焚き火の音が、今の自分にちょうどよかった

あまり予定を詰めすぎず、気の合う人たちと、自然の中でのんびり過ごす時間が好きだ。だから今回のキャンプも、予定が決まったときから「行きたい」と思っていた。6月の終わり、少し湿気を含んだ空気と、夜の静けさが心地いい季節。そんな時間の中に身を置けるだけで、もう十分だった。

今回のメンバーは、友達夫婦とその子どもたち(4歳と1歳)、それにもう一人の友達と自分。車は2台に分かれての移動で、自分は大人3人の車で気楽におしゃべりしながら現地へ向かった。にぎやかすぎず、でもほどよく温かい、ちょうどいい距離感の仲間たちだった。

現地に着いて、テントを立てて、一息ついたあとに始めたバーベキュー。炭の香り、焼けていく音、煙、どれもが「ああ、これこれ」と思える瞬間だった。焼き加減をあれこれ言い合いながら食べた肉や野菜は、たぶんどこのレストランよりも美味しかった。子どもたちがはしゃいでる声が遠くで響いていて、それもまた、良いBGMになっていた。

日が暮れて、焚き火に火を入れた頃には、少しずつ空気も冷えてきていた。椅子に腰かけて、炎の揺れをぼんやり眺めながら過ごす時間は、何より贅沢だった。
そのままウトウトしてしまって、気づいたら寝落ちしていた。
「テントで寝なよ〜」
そんな友達の声で起こされて、自分のテントに移動したけれど、火の匂いと友達の声、それから星の明るさだけがぼんやり記憶に残っていて、今思い出してもなんだか安心する。

夜が更けるとともに、大人たちも言葉少なになっていって、焚き火のパチパチという音だけがずっとそこにあった。無理に盛り上げなくても、静けさを共有できる時間。それが心地よかった。

週が明けてから、またいつも通りの日常が始まった。木曜日の今も、仕事は相変わらずバタバタだ。でも、不思議と気持ちは落ち着いている。
きっと、あの夜の火の音がまだ少しだけ、自分の中に残っているんだと思う。

写真は撮らなかったけど、それでもこのキャンプのことはちゃんと覚えていたい。
焚き火の音と、それを囲むみんなの気配が、今の自分にはちょうどよかった。

びぼやく ~薬剤師の備忘録~

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