こんにちは!今回は「酸化マグネシウム」という薬について紹介します。
病院やクリニックで「便秘薬です」と処方されたり、胃薬として出されたりすることもあるので、名前は聞いたことあるという人も多いかもしれません。
見た目は白い粉や錠剤で、古くから使われている薬のひとつです。
でも、ただの便秘薬って思っていると、意外な落とし穴もあったりします。
この記事では、酸化マグネシウムがどんな薬なのか、どういう人に向いていて、どんなことに気をつけたらいいかをまとめました!
酸化マグネシウムはどんな薬?
酸化マグネシウムは、主に2つの目的で使われています。
1つ目は「便秘の改善」、2つ目は「胃酸を中和して胃の不快感をやわらげる」ことです。
便秘薬としての働き
酸化マグネシウムは、腸の中に水分を引き寄せて、便をやわらかくしてくれる薬です。
腸を無理に動かすような刺激性の下剤と違って、やさしく自然な排便を助けるタイプなので、高齢の方やお腹が弱い人にもよく使われます。
効果が出るまでにはちょっと時間がかかるので、飲んですぐに出る!というよりは、半日〜1日後くらいに効いてくる感じです。
胃薬としての働き
胃の中の酸を中和して、ムカムカした感じや胃もたれをやわらげる働きもあります。
NSAIDs(ロキソニンなどの痛み止め)を使う人の胃を守る目的で一緒に処方されることもあります。
どんなときに使うの?
- 便秘がちで、刺激性の下剤はちょっと…というとき
- 妊娠中や高齢者で、安全性の高い下剤を使いたいとき
- 胃酸の出すぎで、胸焼けや胃もたれがあるとき
- NSAIDsを長く飲んでいて、胃の不調が心配なとき
使いやすい薬ではありますが、誰にでも安心して使えるというわけではありません。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 高齢の方(腸の動きがゆっくりになっていても自然に効きやすい)
- 妊娠中の方(比較的安全に使える薬としてよく選ばれます)
- 胃の不調もあって、便秘もある方(どちらにも効くのが便利)
向いていない人
- 腎臓が悪い方(慢性腎不全、透析中など)
→ 体にマグネシウムがたまりやすくなって、「高マグネシウム血症」という副作用が出るリスクがあります。
重い場合は筋力低下、吐き気、意識障害なども起こることがあります。 - 脱水気味の方
→ 腸に水を引き込む作用があるので、体の水分が減ってるときは注意が必要です。 - 腸閉塞やその疑いがある方
→ 腸が詰まりかけているときに使うと、悪化することがあります。 - 胃を全摘出した方(胃のない方)
→ 酸化マグネシウムは胃酸と反応し炭酸塩や重炭酸塩になり便を柔らかくする薬です。胃を全摘していると胃酸がほとんど分泌されず、薬が反応せず効果が弱くなる可能性があります。
飲み方と注意点
- 食後に飲むことが多いです。
→ 空腹時よりも食後のほうが効果が穏やかで、副作用も出にくくなります。 - 飲み合わせに注意が必要な薬もあります。
→ 鉄剤、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬、ワルファリンなどは吸収に影響が出ることがあるため、2時間以上あけて飲むように指導されることがあります。 - 長く使うなら血液検査を定期的に
→ 腎臓が健康な人でも、長期間使うとマグネシウムが少しずつ体にたまることがあります。定期的に血液検査でチェックしておくと安心です。
まとめ
酸化マグネシウムは、便秘薬としても胃薬としても便利な薬ですが、腎臓に不安がある人には注意が必要な薬です。
体に優しいとはいえ、薬である以上、使い方や体調に合わせた注意が必要です。
「なんとなく昔から使ってるから安心」と思わず、今の体の状態に合っているかどうか、気になることがあれば医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
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